Iさん

(1)偕行会グループの力が発揮された被災患者様への透析治療活動

東北地方太平洋沖地震から9ヶ月が経ちました。震災直後のことをあらためて振り返って、今だからこそ学ぶべき点があるのではないかということで、臨床工学技士のIさんにお話をうかがいました。

-こんにちは。よろしくお願いします。

(臨床工学技士)
こんにちは。よろしくお願いします。

-3月18日に福島県で被災された患者様を受け入れた時のお話からうかがえますか。

(臨床工学技士)
福島県内の2箇所の施設から患者様がおみえになることが決まった段階で、その日に出勤しているスタッフ全員に連絡があり、緊急勤務の体制で対応しました。
偕行会グループのマイクロバスが患者様をお迎えにあがり、当クリニックには真夜中に到着しました。

-患者様個人の透析治療に関する情報は事前に入ってきたのですか。

(臨床工学技士)
体重、ドライウェイト、ダイアライザーなどの基本的な情報はいただくことが出来ました。
ただし、3月11日以前の透析治療のデータですから、今の患者様の状況はわかりません。何日も透析治療を受けていない患者様もいるようだという情報は入ってきていました。
ですから、詳しい状況は、当クリニックにおみえになってから看護師が患者様お一人ずつに聞き取りをしました。

-大変な状況の中で心がけたことは何ですか。

(臨床工学技士)
患者様もご家族もとても不安だったと思います。出来る限りのことをさせていただいて、少しでも安心していただけるようにと思いました。
その点では、愛知県内にある偕行会グループの施設から救援物資の提供があり、到着後にお食事もしていただき喜んでいただきました。
そういうこともあって「やっと治療が受けられる。大丈夫そうだ。」と安心していただけたのは良かったです。

-偕行会グループさんのグループ力が発揮されたわけですね。

(臨床工学技士)
そうですね。
物品についても、偕行会グループ全体のバックアップで揃えることができました。
また、お体については、透析治療が受けられずに何日か過ごされていた方もおみえでした。もしかしたら身体に水がたまっていて苦しい方もいらっしゃるかもしれません。まずは、きちんとお体の状況を把握して、苦しくない状態になっていただきたいと思いました。

-Iさんご自身は、どのような役割をされていましたか。

(臨床工学技士)
患者様の今のお体の状態を確認するための血液検査を担当していました。
カリウムが増えていると大変なことですし、血液ガスと呼ばれる酸素が行き届いているかどうか等、さまざまなことを確認していました。

-普段のお仕事とは、また違う緊張感もあったのではないかと思いますが。

(臨床工学技士)
患者様も初めての方ばかりですし、深夜に大人数の透析治療をするのも初めてだったので無我夢中でした。
測定では「絶対に見逃してはいけないな」という気持ちでした。

-実際に患者様のお体の状況はいかがでしたか。

(臨床工学技士)
震災直後ということもあって、ご自分でかなり管理されていた方が多かったですね。
中には貧血が進んでしまったり、レントゲン検査が必要な方もおみえでしたが、しっかりと対応できたのではないかと思います。

-患者様全員の透析治療は、朝7時くらいまでかかったそうですね。

(臨床工学技士)
はい。無事に透析治療が終わってほっとしました。

(2)あらためて感じた”患者様にわかりやすくお伝えすることの大切さ”

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